HSP・HSCの本

【感想】HSCを特集!Eテレ「バリバラ」『敏感くんのゆううつ〜HSCのこどもたち〜』【8/31放送】

8月31日にNHKEテレの番組「バリバラ」でHSCを特集した内容のものが放送されました。タイトルは「敏感くんのゆううつ〜HSCのこどもたち」。

放送は、新学期スタートの前。

『学校に行きたくない…』と不安を抱え、体調不良を訴えるこどもたちは多いです。登校拒否をしてしまう原因は、こどもたちの『繊細で敏感な気質=HSC』かもしれません。

5人に1人はHSCであると言われています。あなたのお子さんはどうでしょうか。

具体的にどんな気質なのか、この放送を見ると理解が一歩深まるでしょう。HSPである私の感想を書いていきますね。

詳しい放送内容は公式HPからどうぞ

まず、HSCって何?

HSCは、アメリカの心理学者エーレン・N・アーロン氏が提唱した言葉です。

Highly Sensitive Child  = ひといちばい敏感な子

HSCは心理学的な概念であり、生まれ持った性格、先天性の気質です。病気ではありません。また、親の育て方が原因でなるのではありません。

精神科医の長沼睦雄先生が、放送で紹介していたHSCの特徴は以下の4つです。

HSC・HSPの特徴

✔ 深く処理する
✔ 過剰に刺激を受けやすい
✔ 感情の反応が強く、共感力が高い
✔ ささいな刺激を察知する など

出典:エイレン・N・アーロン『ひといちばい敏感な子』より

一般的なひとよりもアンテナの感度がとてつもなく高い。ひとつの事象を見ただけで、自然にいくつもの情報をキャッチしてしまう気質。情報をシャットダウンしきれず、心身で感じ取ったものをなかなかスルーできないのです。

「深く処理する」とは
 人の感情や雰囲気を取り込んで、深く考えてしまう

「感情の反応が強く、共感力が高い」とは
 人の気持ちがなだれこんで入り込んでしまう
 人よりもたくさんのことを受け止めてしまう

精神科医長沼先生
精神科医長沼先生
敏感さを例えると、マイナスの感情を吸い取るスポンジのようなんですよ。

刺激のありすぎる状態が脳の自律神経を乱してしまい、以下の症状があらわれます。

✔ 睡眠障害
✔ 体の倦怠感
✔ 起きられない
✔ 非常に神経や精神を病みやすい 他

このような症状が出るので、「変な子だ」「神経質な子だ」「臆病だ」と言われます。ダメでネガティブな自分はおかしいんだと思ってしまい、ますますプレッシャーが強くなってしまうのです。

ナナちゃん
ナナちゃん
大人でも疲れたり傷つくのだから、こどもはなおのこと疲労感や悲しみを感じてしまうよね。 

番組では、HSCである小学校6年生の男の子元気くんの実際の暮らしぶりと、家族との自然なやりとりが紹介されます。

「敏感くんのゆううつ〜HSCのこどもたち」放送内容と登場人物

放送の概要は以下の通りです。

ひといちばい敏感な子ども、HSC(Highly Sensitive Child)の知られざる世界を伝える。元気くん(小6)は、生まれつきとても敏感。他人のさまざまな感情や場の空気を感じ取ってひどくつかれてしまうため、学校に行けない日も多い。しかし、祖母のすみ子さんからは「学校に行くべき!」「がんばれるはず!」と言われ続け、悩んでいる。そこで元気くんは「自分のしんどい気持ちをおばあちゃんにわかってもらいたい!」と、2人きりの旅に。果たして2人の心は通じ合うのか?

※出典:バリバラ公式ページより

元気くん
  • 小学校6年生の男の子
  • 人の思いや周りの空気感にとても敏感
  • 運動会はいつも見学
  • 暗闇やトイレが怖い
  • 突然の物音に不安を感じる
元気くんの
おばあちゃん
  • 元気くんと一緒に住む
  • 元気くんに学校に行ってもらいたい
  • なぜ相手のことを気にするのか理解ができない
  • 元気くんを理解できない自分の考えを変えたいと思っている
精神科医
長沼睦雄先生
  • HSC・HSPに悩む患者さんを多く診る
  • 元気くんの主治医
  • 元気くんに不安を和らげる方法を伝えている

ものの感じ方が違う、元気くんと元気くんのおばあちゃん。
しかし、お互いに理解しあいたいと共通の願いを持っています。

番組が準備したふたりへのおせっかいなプレゼント。この2つの方法がとても素晴らしかった。

  • 同じものを見てそれぞれ何を感じ取ったか
    ノートに記録し発表し合う
  • 背中合わせで、本音を叫ぶ

HSC/HSPがいる家族にとって、大事な人を理解するためのステップとして、とても参考になります。

詳しい内容も含めて、感想を述べていきますね。

「他者理解」とは、物事への感じ方が違うとお互いに理解すること

HSCは生き物・植物も同じように接する

自然公園にきた、元気くんと元気くんのおばあちゃん。

池のコイにエサやりをすることにしました。

まずエサのやり方からふたりの違いが出ておもしろかったんですよね。おばあちゃんは大きなモナカの皮のままドボンっとコイに放り投げる。元気くんは「コイがかわいそうだよ」と言いながらモナカの皮を小さくちぎってコイにやっている。

エサに群がるコイに感じた感想が、おもしろいほど違うのです。

元気くんのおばあちゃん
元気くんのおばあちゃん
えさの取り合い迫力あったね。
競争力が激しくておもしろかったよ。

元気くん
元気くん
えさをちぎらないから鯉が詰まるんじゃないかと心配になった。
ちぎったら詰まらないから安心。
詰まって苦しくなったらかわいそうだから

どうですか、この違い!

元気くん、めちゃくちゃ優しい繊細な男子!きゅんとしますね・・・

HSPである私も、元気くんほどの寄り添い力はないけれど、きっとコイの口の大きさに合うように小さくちぎると思う。

もし不注意で大きなままエサを落としても、「だいじょうぶかな、食べられなくなってそのまま腐ったのを食べて病気になったりしないかな」とジーッと見てしまうタイプです・・・

だから、元気くんのおばあちゃんの豪快さ、「人間は人間、コイはコイ」と境界線を引いて生き物そのものを楽しむおおらかさがとてつもなくうらやましくなりますね。

HSCは、人のいるところで人の動きを気にしてしまう

カフェでお昼ごはん編。

お店に入った時点で、元気くんは周りをキョロキョロ。
おばあちゃんは「いいにおい〜」とごはんを待ち遠しく感じている。

元気くん
元気くん
・まわりの人の視線が気になる
・赤ちゃんが泣くんじゃないかとドキドキした
・店員さんがいそがしそう
・外に出たり入ったり、会計をしたり料理を運んだりしていそがしそう

元気くんのおばあちゃん
元気くんのおばあちゃん
・お客さんが少なくてさみしかったね
 ガヤガヤしている方がばあちゃん安心できる
・ランチ美味しかったね
 取り替えっこして食べて満足
 他の人の物っておいしく思えるね

元気くんの感じ方とおばあちゃんの感じ方が、本当に対極的で興味深いですね〜。

カフェでランチをしているときは、私は割とおばあちゃん寄りの感じ方をしています。その場を楽しみたい気持ちのほうが強いです。

それなのに、元気くんの思いやりときたら・・・。
涙が出てくるほど周りの人たちのことを考えているんですよね。ここまでたくさんのことを考えていたら、食事中も純粋に楽しめないし落ち着けません。

これはどっぷり疲れるよ、元気くん・・・(泣)

感じ方をシェアしたら・・・

元気くんのおばあちゃん
元気くんのおばあちゃん
元気は人の争いも嫌いだけど、まさか魚の争いまで気にするなんて!
動物まで気にするとは、それは疲れるね

元気くん
元気くん
カフェでは、赤ちゃんが泣くんじゃないかとドキドキしたよ

元気くんのおばあちゃん
元気くんのおばあちゃん
え?赤ちゃんいた?全然気が付かなかったよ(笑)

やりとりを見ているとおばあちゃんがあっけらかんとして思わず笑っちゃうのだけど。おばあちゃんが元気くんの感じ方を否定せずに「へえ!そう思うんだね、それは疲れるね」と事実のまま受け入れているのがとてもよかった。

元気くんも、おばあちゃんの感じ方を不思議に思わない。
おばあちゃんがコイのエサやりで「競争とか迫力とか激しいことが好きなのかもしれない、それはそれでばあちゃんだからいい」と肯定的にとらえていた。

お互いがお互いの感じ方を「あなたはそう感じるんだね」と認めあえていること。すごくシンプルなことだと思うのだけど、意外にむずかしいんじゃないのかな。

ふたりの距離がグッと近くなったことが純粋にうれしくもありうらやましくもあり。「わかり合えないのは当たり前」と思い込んでいた私のかたくなな心をふたりが溶かしてくれました。他人との違いを理解し合いたいと感じることができたのは、とても久しぶりで不思議な気分です。

言いたいことを我慢しがちなHSC。本音を書いて気持ちを吐き出すことが大事。

最後は、元気くんとおばあちゃんがもっと理解し合うために、「背中合わせになって本音を叫ぶ」ことをしていました。

これがとてもよかった。

向き合うのではなく、背中合わせ。なぜか。

精神科医長沼先生
精神科医長沼先生
背中合わせになる目的は、顔色をうかがって遠慮してしまわないようにするためです。

そして、HSCは普段から言いたいことを我慢しがちなんですよね。溜め込みがちな本音を吐き出して気持ちをスッキリさせることがとても大事な経験になります。

気持ちのぶつけ合いは、第三者が公平に見守ることで穏やかに発言できるのだそうです。ここでは長沼先生が立ち会っておられました。

元気くんとおばあちゃんは、「これを伝えるぞ!」という本音を紙に書いて心に留めてきました。行き当たりばったりでなく、しっかりと準備をしてリハーサルしてくるわけですね。

準備は、言いたいことが咄嗟にうまく出てこないHSCにとって、とても大切なプロセスです。

本音を伝え合えたあとの、お互いの表情の晴れやかさと言ったら!

家族として大切に思い合うからこそすれ違う日々が続き、苦しいことが多かった。お互いの本当の思いを知ることができて、心の奥底でどういう願いをもっているのかがよく理解し合えたようです。

涙なしでは見れませんでした(泣)

私はよく夫に言われることがあります。

お前は何を考えているのかがわからなくて正直困っている
考えすぎるから生きづらいんだよ
頑固なところはどうにかできないのかな
もっとシンプルに考えたらいいじゃないか

一方的に言われるばかりで、何か言いたいのに何も言い返せないんですよね。私はやっぱり間違っているのかなとも思ってしまう。でも納得できない自分もいるのです。とても苦しい。

夫にとって、HSCやHSPの本を読むというステップは面倒なようで、気質の概念を理解するのは少しむずかしいようです。

しかし、この放送を見て私は勇気をもらえました。

元気くんとおばあちゃんが本音を言い合うことへの本当の願いは、お互いが大事な存在で理解し合いたいから。楽しく過ごしたいから。

私は夫と理解し合うのをどこかであきらめかけていたんですね。本音は伝えなくていい、本音なんて夫に届かない、と思い込んでしまっていたようです。

見終えた後も言葉にならない感情がゴゴゴーっとなだれこみ、まだ呼吸が浅くほんの少し息苦しい状態が続いているのですが。それほどに私にとってはうれしい衝撃を受け、ふたりから大切なことを教わりました。

さいごに

この記事を読んでくださった方は、HSPの当事者さんでしょうか、感受性の豊かなお子さんやパートナーへの対応に悩んでいらっしゃる方でしょうか。

お互いの物事の感じ方の違いを理解し合い、本音を紙に書いて吐き出し合うこと。

このふたつを実践することで、ぐんと距離が縮まるかもしれません。

理解をし合うことは、とてつもなくエネルギーがいり面倒くさいことです。

あなたが家族や友達を理解し合いたいという根っこの願いは何か、これをきっかけに考えるのもいいかもしれません。

「大切な存在だ」なら、とてつもなくエネルギーがいり面倒くさいことを実践してみましょう。

元気くんとおばあちゃんがお互いにわかり合えたのと同じ景色を一緒に味わえるように、応援していますね!

ナナちゃん
ナナちゃん
怖いけど私もがんばります! 

 

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